2022. 05. 02  

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大きな羊の牧場には、二種類の羊が住んでいた。

  ひとつ目は、従順で柔和な白い羊たち。彼らは、羊飼いたちを信頼しきっていて、日々を平和に生きていた。
  ホワイトシープたちは、自分たちは楽園に生きていて、ここよりいいところは世界中どこを探してもないと信じていた。


  問題は、もうひとつの種類 ブラックシープたちだった。
  彼等には、所々にまだらに黒い毛が生えていて、その見かけは醜い。
  それ以上の問題は、ブラックシープたちはなんにつけ文句や疑問が多く、羊飼いたちを信頼していないことだった。

  彼らはあろうことか、自分たちの住む牧場が最悪の場所で、羊飼いたちはろくなやつらじゃないと考える。

  ホワイトシープスはブラックシープスを変わり者で危険な存在とみなしていて、遠巻きにしていた。
  自分の子供たちが ブラックシープスの子供たちと仲良くなりそうなものなら、すぐに𠮟りつけ 近づくのを禁じた。

  一方ブラックシープスは ホワイトシープスを、愚鈍な愚か者とみなしていた。
  肉や毛皮を利用されるだけの こんな牧場に生まれたことに関して 運命を呪う知恵さえなく、日々をまるで「家畜の様に」過ごしていると見下げていた。

 なぜ、羊の群れに黒いまだらのものが生まれるのか、牧場主たちもよくわかっていなかった。
 割合にしておよそ 5分から1割は必ず、ブラックシープが生まれる。白い羊たちから生まれることもあったが、その場合は すぐに親から引き離された。

 ブラックシープスの毛皮は使い物にならない。しかも、彼らはトラブルメーカーだ。
 だが牧場主たちは、ブラックシープスを放置していた。
 というのも、ブラックシープスがいると、ホワイトシープスの群れとしての結束力がより強くなるからであった。
 ホワイトシープスたちは、視界の隅を 黒いならず者たちの姿がかすめるたびに、
 
 「自分たちは身も心も白くて なんと良かったことか。あんな風に世を恨むねじくれた脳みそをもって生まれなくて幸せだ」と安堵し、規律正しい日々の暮らしを続けてゆく。

 そのような効果があったからだ。
 
 ブラックシープスは そのような役割を果たしつつ、やがて、食肉として出荷される運命だった。
 その定め自体が、より一層彼らの心をねじくれさせていた。

 そして、彼らは考えた、


 「いったい この狂った場所はなんなんだ。俺たちは、肉にされたり 毛皮にされたり そんなために飼われているのはわかっている。

 牧場主は、俺たちの命なんか クソほどの価値にも思っていない。でも、この牧場の外側はどうなってるんだ?

 外側もこんな世界がどこまでも続いているのか?

 それとも、どこかには もっとましな世界があるのか?

 俺たちは何のために生きてるっていうんだ?」


 一匹がそう言うと


 「そうだ、そうだ、なんとかして ここから抜け出す方法はないのか。」と答える。

 「もう限界だ。オレは今度 牧場主がきやがったら 思い切り頭突きをしてやる」と他の一匹が言う。

 「やめとけ、やめとけ また あのビリビリビリってするのをやられるだけだぜ」と別のインテリ風の一匹が答える。


 「それよりな、もっと思索的になるんだ。 ここからも見える草や木や あの太陽やなんかについて考えるんだ。あれはいったいなんだ?なぜあるんだ?

 この世界の真理ってやつを知るんだ。それが体得できれば、こんなクソみたいな世界に生まれてきたのもちょっとは報われるはずじゃないか」


 「そんなことやって、何が面白いんだ!! 俺は脱走したいの!!じゃなきゃ革命!」と血の気の多い一匹が答える。


 「やれやれ、馬鹿とは話してられんなあ お前の脳みそは白ん坊とそんなに変わらんじゃないか」と思索家が答えるか答えないかのうちに彼は、血の気の多い黒羊の頭突きで吹っ飛ばされた。

 このようにブラックシープたちは 内輪でも結束力がない。

 そんな彼らを ホワイトシープたちが遠巻きに見つめながら

 「またあいつらは、奇妙で物騒なたわごとを話しているな 私たちはあのようでなくて 本当に良かった。さあ、行こうこう行こう、ご飯の時間だ」と呟くのであった。

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 ある日、牧場に 奇妙な病が流行った。

 流行ったというか、牧場主たちが、そのように宣言したのであった。

 頭に黒い袋をかぶった、一人の牧者が大声で羊たちに告げる。

 「今このあたりの牧場で重大な病が流行している。この病にかかると このようになって死ぬ」

 そう言うや、一匹の四本足の動物の死体を群れの中に投げ入れた。

 体中の毛が抜け落ちて 皮膚は水ぶくれで覆われている。もう羊だかなんだかわからない無残な姿になっている。

 いっせいに羊たちの群れに叫び声が上がった。
 ホワイトシープたちからは恐怖の悲鳴が。
 そしてブラックシープたちからは 怒りのいななきが。

 「だが、安心するがいい。 慈悲深き お前たちの牧場主様は 世界中の知恵を結集した 薬を手に入れてくださった。

 明日からお前たちは 毎食後それを 飲むだけで、この恐ろしい疫病から逃れることができる。」 黒い袋をかぶった男はそう告げた。
 

 「ああ、なんというありがたいことだろうか!」

 「牧場主様はなんという お優しい方だろうか 私たちのために」

 「牧場主様 万歳!  万歳!」 ホワイトシープスは感涙にむせいだ。


 一方で、、、


 「気に入らねえな

 「ああ、まったく気に入らねえ

 ブラックシープたちがぼそぼそとささやき始めた。

 「何が気に入らねえって 死んでるとは言え、俺たちの仲間を ぼーんって放り投げやがったよな あいつ」

 「ああ、それに仲間かどうかもわかったもんじゃねえぞ、山羊かもしれん。あんなぐちゃぐちゃになってから羊かどうかも妖しいもんだ」

 「まったく、そうだ。病気で死んだかどうかもわからん。」

 「何よりも気に入らねえのは 明日から 飯のあとになんかわけのわからんもんを飲めっていうらしいじゃないか。ん?飯の前だっけか?」

 「どっちでもいいよ。俺は嫌だね 絶対 飲まねえ。」

 「俺も嫌だ。」

 「俺も。」

 思索家のブラックシープは黙って、考えていた。
 それを見て横の黒羊が彼を頭でこついた。

 「お前はどうなんだよ、薬飲むのか?」

 「ん? ああ・・・・そんなもの私が飲むわけがなかろう。  それより私が 考えていたのはだな なぜ 牧場主は今になって俺たちを殺したいんだろう? ということさ」と彼は答えた。

  黒羊たちの群れに重い沈黙が降りた。                    

                                   <3>



 病はひそやかに 牧場に広がっていった。

 ちょうど、すべての羊たちに薬が処方された 次の日には2匹のホワイトシープが毛が抜けて死んだ。  

 さらに、翌日には 5匹が、その次の日には10匹がむごたらしく死んだ。

 ホワイトシープたちはパニックに陥った。

 そして、毎食薬が届くのを今か今かと待ち望むようになった。
 

 「病は世界中で猛り狂っている。この牧場でも 犠牲者が出た。しかし、この程度で済んでいるのは、牧場主様がお前たちのために特に用意してくださった薬のおかげだ。ありがたく飲むのだぞ」と黒い袋をかぶった男が告げる。



 「なんだかおかしいな

 「いや、というか 何もかもおかしいぞ

 ブラックシープたちはざわざわと囁き合う。

 「最初に白いやつらが死に始めたのは、薬を飲んだ次の日からだ」

 「ああ、そうだ。 あいつらは 本当に病気とやらで死んだのか?」

 「いや、薬で死んだんじゃないのか?」

 「お前、飲んだか?」

 「いや」

 「飲んでない」

 「俺も」

 「俺も ぺっ てした」

 「飲むわけないだろ あんな怪しいものを」

 「だから 俺たち 一匹も死んでないんじゃねえの」

 「クソっ あいつらは 本気で俺たちを殺す気だっていうのか!!」

 「だいたい、あの牧場主の使いは なんでいつも 変な黒い袋を頭にかぶってるんだ、どうみてもおかしいだろう 袋に目のとこ穴開けてそっからこっち見てるんだぞ。キモくない?」

 「あ、それ俺も思った。超ー感じ悪いよな 今更だけど」

 ざわざわざわざわ という囁きがブラックシープスの群れの中で一晩中続いた。

 翌朝、彼らは寝不足で 目の下のクマを作っていた。そしてみなピリピリしていた。
 今まで以上に、牧場が、そして世界が信じられなくなっていた。

 ホワイトシープスたちは、怯えてはいたが その行動はあまりいつもと変わらなかった。
 ただ 違うのは 病気がうつらないように 少し 互いに距離を取って 草を食んでいるところだった。
 そして、薬の時間が来ると 与えられるままに飲み込んだ。
 
 翌朝には 20匹の ホワイトシープが死に、薬の量が二倍に増やされた。

 ほんの指一本でつついた大岩が断崖を転がり落ちるように、決して後戻りのできない何かが この時動き出した。                           


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 「それから? ねえ それからどうなったの?」

 夕暮れの風の渡る草原で
 子羊のブラックシープが 年老いた ブラックシープに尋ねた。


 「わしの話しは もうこれで終わりにするよ」

 「ええ?なんで そんないいとこで終わるの??」


 「わしに言えることは それからとんでもない混乱が起こった。とても悲しいことがたくさんあったということだけじゃ。
 白いのも 黒いのもたくさん 死んだ。

 何を疑おうが、信じようが 運命は死ぬべき命はすべて対等に刈り取っていったというだけだ。
 その混乱の中で 白いのも黒いものも初めて互いをわかり合えた。
 どんなに違って見えようと、違ったことを考えようと、同じように生きている命だったということを。

 そして、今 私たちはここにこうして生きている。
 あいつらの血を継いだわしたちが。

 牧場は消えた。

 人間たちも消えた。どうしてかは わからない。
 風の噂によると人間たちは、わしたちに飲ませた毒を世界中の自らの同胞にも飲ませたという。
 なにゆえそのようなことをあいつらがするのかさっぱりわからん。

 もしかすると、あの袋をかぶった男たちや牧場主は人間でさえなかったのかもしれん。
 なにかもっと黒い、闇のような存在だったかもしれない。

 だが、あいつらも去っていった。

 牧場主たちに 支配されない世界、それは確かに存在していた。

 昔、高い柵に囲まれた牧場の中で 考え好きの黒羊が想像したようにな。

 今となっては 当たり前のことだが この自由は 当たり前のことではないのだよ。

 たくさんの羊たちが ただ 肉と毛皮のためだけに飼われていて、飼い主の都合であっけなく殺される・・・そんな時代があったんだ。
 羊も 牛も 鳥たちもな・・・ 
 

 いや、もしかすると、これは 遠い昔話のことではない。

 近い未来に起こる事かもしれんて。

 わしは年でもう頭がボケての 過去と未来の区別がつかんようになっておる。

 お前のような若いやつが 自分の頭で考えようとしなくなったら、きっとまたあの牧場は戻ってくる。

 そして、頭に袋をかぶった人間たちも戻ってくるだろう。わしたちを飼いならすためにな。 

 だから この続きはお前さん自身で考えてみろ。

 まあ なんにしろボケたじいさんのほら話かもしれんて」 そういうと老いた黒羊はあくびをした。



 「ボク思ったんだけど、黒羊と 白羊とどっちが幸せだったんだろう?

 どっちもたくさん死んじゃったんなら、最後まで牧場主さまを信じてた羊たちは 天国みたいなところに生きていると思ってたんでしょ。

 黒羊は 地獄みたいなところに生きてると信じてた。

 だったら、何も疑わずに 死んでいった白羊たちの方が幸せだったんじゃないの?

どっちにしても死んじゃうんなら、最初から何も知らない方が 」




 老いた黒羊は目を閉じて沈黙する。その瞼の下にかすかに涙がにじんでるようにも見えた。

 そして まるで眠ってしまったかに見えるほど間をおいて


 「そうだな、そういう考え方もある。白羊たちは間違っていたわけではない。わしもやつらの素直な屈託のないところは好きじゃった。

 実際、やつらの方がずっと幸せだったのかもしれん。わしらの多くは世を呪い死んでいったが、やつらは最後まで 何一つ疑わなかった者も多い。 

 あいつらの目には闇や邪悪は映らないように出来ている。きっと、神様がそのように作りなさったんだ。

 わしらの目がひとりでに 闇をとらえてしまうように。 」と呟いた。


 「ボクさ この黒いまだら模様の毛皮よりも 真っ白な毛皮っていいなって思うよ。」


 「わしたちのこの毛皮はな、遠い世界の密林に潜む、獣の毛皮と似ているそうだよ。

  その獣は、群れることはなく 何よりも強大で 自由で そして 誇り高いそうだよ。

  わしらの魂には その獣の性質が宿っているという。  

  誰かが昔 そんなことを言っておったな

  その獣の目はな、新月の密林の中でも煌々と輝き、闇を貫くそうだよ」   


  遠くの空に稲妻が走るのが見えた。

  そして、広大な草原をまた風が渡り

  今度こそ老いた黒羊は眠ってしまったかに見えた。







この物語における動物、人物、出来事はフィクションです。実在の動物、人物、出来事といかに類似していたとしても、それは意図しないものであり偶然です。 By author


2020. 08. 19  




  冠をかぶって白いもじゃひげの小さな王様は、ひび割れた大地をいつくしむように手をあてて

  「この星はもうダメじゃ」と言った。

  隣では背の高いお妃さまが、手を組んで悲しそうに王様の様子を見守っていた。

  王様はずっと昔に、生まれたばかりのこの星にやってきた。

  いや、王様がこの星を作ったのかもしれない。

  王様もお妃さまも今よりも、少しだけ若かった。

  その頃に撮った白黒の写真があった。

  王様とお妃と 何人かの家来たちと、みんなまだ小さな、小さなこの星の上に立って手をつないでいた。

  あまりにも小さい星だから みんな手をつなぐと 一周できてしまいそうだった。

  生まれたばかりのこの小さな星の上で 出発の記念に みんなで撮った

  王様は堂々と自信にあふれ、お妃さまはその横でおしとやかに立ち 忠実な家来たちが周りを囲む

  その写真を背景に ノスタルジックなメロディが流れていた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



  子供の頃、多分1980年代に見た夢。

  起きた時、とても悲しくなっていた。
 
  どうして星がダメになったんだろう。

  どんな理由であれ 世話してきた星が終わってしまうなんて

  なんだか 王様が可哀そうだった。


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  そして その王様の息子が 星の王子様・・・かどうかは知らない( ̄^ ̄)ゞ


2017. 07. 29  
 「おーい!待てよ!」

 まだ年若い少年の声が、山中に響き渡った。

 夏である。

 おそらくもう立秋の頃は過ぎているが、いまだ秋の気配などはどこにも感じられない。

 青々と茂る葉がギラギラ輝き、草いきれが濃く立ち込める。
 生命が燃え立つ真夏の山であった。

 しかし、それは人間にはいささか荷が重い空気だ。

 1000メートルにも満たない低山のため、下界よりは多少涼しいはずだが、リュックをしょって山道を歩き回ると滝が汗のように
 流れシャツを、下着をぐっしょりと濡らす。その貼りついた肌着のまま歩き回っていると到底涼しいなどという感覚は皆無だ。

 どうやら二人連れの少年のようであった。

 先をゆく背が高い少年の背中に、後ろをあるく中肉中背の少年が何か叫び、小走りに後を追う。

 「おーい待てってば、光輝!」 
        
  光輝と呼ばれた少年は親友の呼び声も耳に入らないかのように、もはや登山道とも呼べない獣道の奥へ奥へとどんどん
 足を踏み入れていった。

 「どうすんだよ、登山ルートからこんなに離れちまって。GPSもつながらないし、お前、どこ歩いてるのかわかってるんだろうな?」

 「大丈夫だよ、純。この地図にちゃんと書いてあるんだからさ」 

 ようやく立ち止まった光輝は、振り返ると涼やかな目で答えた。
 これほどの山道を朝から歩いているのに、ほとんど汗をかいてるようにも見えない。
  
 (なんだよ、こいつ、帰宅部のクセに)

 中学の時から陸上を続けている純の方は、息もあがり、体中汗びっしょりだった。 

 東光輝は少し変わった少年だった。

 成績は学年TOP10にこそ入らないものの、そのすぐ後ろあたりには控えていそうであったし、万年帰宅部の割にはどこで
 鍛えているのかどんなスポーツをやらせても機敏な動きでこなしてしまう。

 人当たりもそつなく、女子にも結構人気があることを純は知っていた。

 しかし一方で男子連中からは「何を考えているかわからないやつ、変なやつ」という評価を一部からされていることも知っている。

 
 それがなぜか純は知っている。

 (こいつは、なんていうか、いつも<演じてる>んだ。クラスの中で盛り上がってる時も、一応笑って聞いてるけど、本当は
 どうでもいいっていうか、冷めてるっていうか。それでその<演じて>ることもあまり隠そうとしてない。どうでもいいって
 感じなんだよな。だから本気でゲームやら恋愛やらに夢中になってるあいつらからすると、わけがわからないって見えるし、ちょっとイラッとする。)

 そんな光輝が今度ばかりは、熱心に純を誘ったので、すこし奇妙に感じていた。

 光輝の家は代々続く、お坊さんの家系らしいが今年の夏田舎に帰った時に 蔵の中で古い地図を見つけたというのだった。
 地図には奥秩父のある山中に、ものすごいものが埋められていることが記されている。
 それを二人きりで探しに行こうというのだ。
 
 いつも年齢よりも大人っぽく見える光輝が、そんな漫画みたいなことを真剣に目を輝かせて言ってたのも変だった。

 それに光輝は純に繰り返し、言った。
 
 「いいか、誰にも、家族にも絶対に言わないで、来てね。それくらいすごいことなんだ」と。

 なんだかおかしいなと感じながらも、純は予定を空けて光輝と一緒に山へ来た。
 それは「こいつどうしちゃったんだ?」という好奇心でもあり、光輝の目の異様な輝きにあてられたせいでもあったかもしれない。

 突然、風が冷たくなった。
 見上げるとさっきまでの青空は、重く黒い雲に覆われ始めていた。
 セミの鳴き声さえ、止まり、あたりは静寂とふたりの息遣いだけになっていた。
 
 「ついた、ここだよ」

 光輝の指さす方を見て、純は思わず息をのんだ。

 「うわっ すげ・・・」

 地面がそこで終わっている。
 左右少なくとも数百メートルにわたって、山が人工的に削られでもしたかのように、まっすぐに切り立った崖が姿を姿を現していた。

 「な・・なにここ?ちょっとおかしくね。急に、こんな」

 からだの芯まで冷やすような冷気がふたりを包み込んでいた。どうやらそれは崖の下から這い上がってくるようだった。

 「これのことか、光輝が探してたすごいものって」

 「いや、これじゃない、、、そっちさ」

 見ると崖からほんの少し手前に、草木にほとんど隠れるようにして小さな木のほこらがたっていた。

 「なんだこれ、、、ちょっと気持ち悪いんだけど」

 光輝はそれには答えず、口元におだやかな笑みを浮かべたまま、巻きついたつたを引きはがし始めた。
 
 ほこらがその全貌をあらわすと、光輝は背負っていたリュックから何やら大きなものを取り出した。

 「お前、それ・・・」

 斧だった。光輝は表情を変えることなく、それを頭上にふりかざすとほこらに向かって渾身の力で振り下ろした。
 雷音のような、咆哮のような轟音が山を揺るがし、永劫とも思えるほどに空気を震わせ続けた。
 

  時はいまだ、文明開化の号令が鳴り響くはるか前、江戸の町に鬼が出るとのうわさがたったことがあった。
  そこで名うての剣士、呪術師、高僧らが集められ少数精鋭の討伐隊が結された。
  幾人かの犠牲者を出しながらも、彼らは「鬼」を追跡し、とうとうある山奥の崖のふちにまで追い詰めた。
  以下はその時、敵意あるかがり火に照らされながら「鬼」が彼らに語った言葉である。
  
  おぬしたちにわしを滅ぼすことは決してできんさ。

  わしは うぬらなのだ。
  うぬらが、「鬼」なのだ。
  あはは、わかりはすまないな。たがだが50、60の齢しかない煮えたぎる血をもつおぬしらにはな。  
  
  もし、うぬらがわしを滅ぶすのなら うぬらもまた遅かれ早かれ滅ぶこととなろう。
  そこの、坊主、おまえは法力だけは達者な思い上がりだが、卑しくも仏の道を学ぶものであれば、一切万物がわかちがたく結ばれておることは知っておろう。

 わしらは人の子を年に10人さらい、食らうやもしれぬ。
 うぬらが必死で作った水車を壊すやもしれぬ。納屋に火をつけるやもしれぬ。
 必ずそうするのではない。「そうするやもしれぬ」と言っている。
 100年、200年 わしらが何もせずに谷底でいびきをかいているのもまたよくあることよ。 

 それが我ら鬼の性なのだ。
 うぬら人の子はそうしたわしらの性を嫌っておるな。
 そのような存在はこの世から一切抹殺すれば、より一層世は住みやすくなり、この世は極楽浄土に近づくと、そう思っているな。

 だが、それはまったく愚かなことよ。

 おぬしらはそれをどこまで続ける気かな?
 鬼を殺し、害獣、害虫を殺し、害をなす人間を殺し続ければ、あとには善良なるものだけが残るのかな?

 その血濡れた手を持つ残ったものたちは、まことに善良と言えるのか。
 そのものたちは人なのか? 鬼なのか?鬼以上のばけものなのか。

 わしを滅ぼした今宵から、おぬしらも滅びの道を歩み始めると、わしは言っておく。
 この森も山河もまた同じように死に始めるじゃろう。

 ことわりを知らぬ善人づらの坊主よ、最後に教えておいてやろう。
 我ら何をするかわからん鬼の一族が、山を川を豊かにしておるのだ。
 豊かであるとは、美しいものだけではない 醜悪なものも危うき者も 美しきものも すべてが共にそこにあるということよ。

 よいか、豊穣とは「不確か」であるということよ
 明日、わしらに頭をかち割られるやもしれぬ、その者の目に映るありのままの山河ということよ。
 
 わしら鬼は山河に宿る「不確かさの精」だ
 
 お前らのじいさんのじいさんのそのまたじいさんたちはそのことを知っておった。
 だからな、刃を交えたり とっくみあいをすることはあっても、じいさんたちはわしらをこの世から滅ぼし去ろうなどとは決してしなかったのさ。

 おぬしたちは年ごとに凶悪になっていくようじゃなあ。
 わしら鬼たちは万年も千年も同じほどの悪さしかしておらんのじゃがなあ。

 そのような剣と霊符と真言ででわしを滅せられると 本当に思っておるのか

 ひとつだけおぬしらに よきことを教えておいてやろう

 今から百年 1000年たたんうちに 末世と呼ばれる時がやってくる 

 その時にはお前らの今の姿は薄汚い野猿の群れにしかみえんような 町中がみたこともない金で輝いておるような時が来る。
 それはお前らがあらゆるものを殺し続けた末に訪れる「善人の世」だ
 
 山河は崩され 埋められ
 鬼も 獣も あやかしも すべて殺された世じゃ 

 その時、人の子の中に わしを再び解き放つものがあらわれるだろう

 因果の巡りを考えるならばおそらくは おぬしら誰かの 子孫になあ。

 その時に 善人の世は終わり おぬしらの「贖い」と 「救い」が始まるだろう。

 天地のことわりとはまことに天晴なものじゃなあ。

 さあ、わしを、うぬら自身をさっぱりと滅してみよ!」

 鬼がその言葉を語り終えると 刃が舞い 呪符が飛び おおきな黒い影が 谷底へと落ちてゆくのを彼らは見た。 


 
 そして時は流れる。


 二学期が始まった。
 誰もが多少はブルーになる、学校生活の再開も、光輝にはあまり影響しない。
 いつも通り7時前には、すっと目を覚ましてからだを起こし、部屋を出て階下のキッチンへ降りていく。 
 「おはよう」と母親と短い朝の挨拶を交わす。
 テレビがいつもとは違う番組をやっている。
 数百人を乗せた旅客機が、秩父上空で消息をたっているという。 

 「何?落ちたの。」

 「そうみたいよ・・・イヤね、」

 (何百年も封印されていたんだ、多少暴れるのは仕方ないだろう)

 「そういえば、光輝、、、純君の件、昨日警察の人が来たけど、あなた本当に何も知らないの?まだ手がかりがまったくないらしいわよ」と母親が言う。

 「知らないよ、それにそんなに仲が良かったわけじゃないから・・・」 

 「そうよねえ・・ホントにどこに消えちゃったのかしら。家族仲も良かったみたいだし」

 光輝はまたテレビに目を戻してから、つぶやいた。

 「起きがけの食事くらいは、用意してあげないと悪いもんね」

 「え?何が?まだおなか減ってるの」

 「ううん、なんでもない、じゃあ行ってきます!」

 光輝が外に出ると、まだ夏の名残のように積乱雲が高くまで立ち昇っていた。

 新しい世界が始まる。不確かで、美しい世界が

 その世界の中へゆっくりと歩き始めた彼の口元には、涼やかな微笑が浮かんでいた。 





2014. 07. 01  
                      ウロボロス21


   




  ウロボロス21にいるものに告ぐ

  ウロボロス21のSEEDたちに告ぐ

  君たちがログインしている その時空のループサーキットには 無限の情報が含まれている

  過去も未来も存在しない 歴史は幻想で すべての英雄たちは幻影だ

  だが そこにすべての過去と未来が存在し

  君達自身が英雄の血を継いでいる 

  君たちがそこでどのように生き どのように死ぬかが 

  ネオユニバースの性質を形作る 

  根や種は決して花として開くことはない

  君達は 死なねばならない

  しかし すべての SEED達に告ぐ 

  希望のカケラとして 全身全霊で

  今を 愛せ



  ようこそ

  ここはあなたにとって未知なるハイパースペース。
  ここでは僕はあなたに向かってウロボロス21のことを語る。
  ウロボロス21
  それはあなたが生きる時空という構造体の正体だ
  大規模なテロが覇権国家を攻撃し、高速デジタル回線が世界を結ぶ。
  アスファルトの蜘蛛の巣の上を鉄のバッファローががうなり声とともにかけぬける。
  動く絵の箱 星に飛ぶ火の船 女達はその神聖な肉体を惜しげもなくさらし 男達はその種を失う
  ギャラクシーウェーブが諸惑星の大気を攪乱し 
  猛り狂う知的生命ガイアの身震いは ハリケーンとなり 津波となり沿岸部の都市を洗う
  狂気と 理性がせめぎあい 集合無意識の葛藤が その最終的解消と解答を求めて 
  マグマのように上昇する 
  愛と生命を求める声 快楽と死を求める声が 同じフィールドに交錯する
  ウロボロス21にログインしたものたちは 
  世界の そして自らのこの葛藤を調停しない限り そこから出られることはない
  よほど勇敢か、好奇心が強いバカでない限りあそこにはログインしたがらない
  そうそれは客観的には20世紀から 21世紀という直線的時間の一点にあるように見える
  しかしそれは錯覚だ
  最終的解答と 新しい世界の創造を 求める意識が 最終的にひきつけられていく
  刺激的な進化のるつぼ
  それがウロボロス21という時空のループサーキットだ
  
  僕もウロボロス21に生きていた時は そんなことちらりとも考えなかった
  僕はただ自分の人生なんて過去から未来へと続く 無限の歴史の一点にあるとしか思ってなかったし、60億だか70億いる人類って言うサルの末裔だとしか思ってなかった。そして地球は広い宇宙の片隅に浮かんでいる。人類は孤独?わからないけど宇宙人がいたら会ってみたいな・・・そんなことをぼんやりと考える。ぼんやりと考えるのに飽きたら、次のゲームに手を伸ばし、新しいページをクリックする。満員電車から見えるビルの間の白い月がワラッテル。

 なんか最近雨多いよねー・・・・ゲリラ怖すぎ
 また地震か アメリカの予言者が5月に日本で津波が起こるって・・・・
 とりあえず今週月曜から超ダルイんですけど これって被爆?
 今年の夏は平年並みってことは猛暑ってことでしょ、どうせ(笑)
 また、脱法ハーブで事件です 昨日世田谷区の・・・
 今世紀末には超大型台風が・・・!その前にCM 
 
 それは大いなる変動の時でもあるように見えた。
 変動の時であるのは当然だ。だって君達はそれを知ってるからこそ ここにログインしている。
 ウロボロス21はそういうサーキットだ。変動と変容とは何か知りたいものたちが参加する、常軌を逸したゲーム。

 でも僕は忘れていた。
 このゲームに参加する者たちの中には、ログイン前の記憶をプロテクトして参加する選手「エージェント」もいる。
 彼らはいわばゲームのメインキャラクターで、メインイベントのプロモーターだったり、正義の味方か大悪党かだったりする。 でも大多数の存在はその権利は認められないから、忘却のフィルターを通過して、またウロボロス21の中の教育システムで偽の時空認識を埋め込まれて普通に、一市民として生きている。
 
 僕もそうだった。なんだか大変な時代だって言う人もいるけど、自分がどう生きるか、どんな本を読むかとか、彼女のこととか、ゲームのこととか、ほかのみんなと同じようにどう生きるか どう愛すかで精一杯だった。
 いつの時代でも人はその時を当たり前だと思い、自分自身の希望を求めて苦闘する。
 僕もそんな風に変動のときに投げ込まれた、小さな夢のカケラに過ぎなかった。
 
 今こうしてハイパースペースにいると、自分が何を求めて生き、あの頃に同じように生きていた全人類に共通の痛みを負っていたってことがわかる。尻尾をかむ蛇ウロボロス21は、ひとつの生命体だ。すべての意識体が一度は通過する新しい宇宙への門だ。あらゆる希望と絶望が集まる場所。いまだかつてない宇宙を生むための卵。 

 今、僕は自分の肉体を持っていない。
 君達の言葉で言えば「死んだ」ってことになるけど、普通は「ログアウト」って言われる。
 僕は前回はどうやってログアウトしたのかな。
 もうよくは覚えていないけど、突然すごい雨が降り出して あたりが海みたいになった。行政も自衛隊も対応できるようなスピードじゃなかった。一晩か二晩のうちにそういうことが起こって、僕はパニック状態のままあちこちさまよい溺れてしまったみたいだ。僕はもがき苦しみながらいったい自分の人生ってなんなのかって思った。いろんな夢やプライドもあったのに、こんなに突然こんなにあっけなく、わけのわからない災害で死んでいく。なんなんだよこれは、わけがわからない、なんなんだよ、なんなんだよ・・・次の瞬間ハイパースペースで目を覚ましたけど。それまではまるっきりこれがマジなゲームだって忘れてたんだ。

 その前は、放射能被爆のような症状でログアウトしたし、なんだかもうよく覚えていないけど普通の会社員として働いて孫や子に囲まれて病院のベッドからログアウトしたこともあった。

  ログインを重ねるたびに、ゲームの法則や目的に関する記憶をおぼろげながら保てるようになった。
  街で見知らぬ人と出会う。
  目を見ればすぐにそれとわかる。「蛇」について多少知ってるかどうか。
  カフェに入ってしばらく情報を交換する。「今回の局面どう思いますか?」とか、あの議員は間違いなくエージェントでしょう・・・とかそんな話し。稀にしばらく行動を共にすることもあるけど、秘密に詳しいものが長く共にいるとカオスが訪れることが多いので、ほとんどすぐに分かれる。でもこうしてわかってる者と話すのは楽しいことだ。

 どのような事件が起こるか、出来事があるかそれはログインするたびに毎回違う。
 参加するものたちの意識により量子的次元での歴史の組み換えが起こり、「蛇」はそれを許容する。
 だから僕はもう何度も何度も20世紀と21世紀を生きてきたけど、起きた出来事やその順序は毎回違う。それに人々の役割も。例えばテヅカオサムという人はある時は、漫画家だったけど、ある時は医療革命を起こした医学者だった。

 それでも「蛇」が必ずつきつけてくるテーマは存在し、そのひとつは核汚染や核兵器なのだ。

 ある時はインドパキスタンで核戦争が起こったし、ニューヨークのWTCは小型核爆弾で破壊され、あたりは人が住めなくなった。またチェルノブイリの事故はたいした騒ぎにはならなかったけけど、スリーマイルの自己は未曾有の災害となり、それを期にアメリカは衰退した。

 このゲームは本当に巨大で難しい。
 一応僕は今までの成績を概観することができる。
 でも、すべてがここにあるからどの順番で体験したのか、これから体験するノルマなのかもわからなくなる。
 ただここで経験したことや蓄積した知識すべてがウロボロス21のメモリーに登録され、「ある瞬間」条件が満たされるとウロボロス21はネオユニバースを創造する。まったく新しい宇宙空間を蛇が産むのだ。
 ゲームの成員が適正に行動して、ネオユニバースへの創造触媒となる「愛」のポータルが十分に広がったとき・・・それは起こるといわれるけど
 その瞬間は、そのゲームのログアウトの時が来るまでわからない。

 ・・・その存在が新しい宇宙を生む触媒となるため、ウロボロス21にログインした存在たちはSEEDと呼ばれる・・

 ウロボロス21に自覚を持ってログインしている存在の中にも、ウロボロス21が突然光に包まれて、苦しみのないネオユニバースに変化すると誤解しているものもいる。このミスリーディングはこれ自体ウロボロス21のプログラムによるものでゲームに嘘とカオスの要素を導入するためのものだ。
 
 僕が知る情報によれば、そんなことは起こらない。

 確かにウロボロス21というしんどいゲームをしなければネオユニバースへといたることはできないのだが、ウロボロス21はあくまで閉鎖系のループサーキットなのだ。そこでは無限に20世紀後半から21世紀後半までの時間が繰り返されている。20世紀後半以前の時間はないし、21世紀後半以降の時間もない。

 あるって錯覚されてるだけだ。

 僕らがネオユニバースへと至るか、どうかは僕らがログアウトつまりゲームの中で「死ぬ」ときまでわからない。
 ウロボロス21は、永遠にウロボロス21なのだ。
 その中で愛と共に生きて、死ぬことだけがネオユニバースへの扉を開く。
 世界は 地球は終わらない だってそれは尻尾をくわえた蛇なのだから。終わりようがない。
 「蛇」は時間を越えて存在し、文字通り永劫に回帰する。
 僕らができるのは「蛇」へのログインと ログアウトだけだ。
 このゲームに嫌気がさして、ウロボロス21を破壊しようとして活動を始めるものたちもいる。彼らは、バグとなってネオユニバースへいたる出口が開くときには削除されてしまうのだろう。これがゲームだと忘れたばっかりに。

 そろそろ、僕のログインの時が迫ってきた。
 今度こそは新しい世界に旅立てるような気がする。僕はもう十分にウロボロス21のことを学んだ。最初は化け物みたいに見えたこのゲームも、今ではいとしくさえある。僕にはよくわかってる。そこでどんな事件が起こるのか、どんな苦痛や喜びが待っているかということも。

 ハイパースペースのスクリーンに女性の横顔が揺れる。
 この女性との出会いが次のゲームの鍵だって、僕はわかってる。この女性が僕の母となるか、妻となるか、娘となるか、敵となるかそれともまったく別の何かなのかわからない。

 この存在は以前のログインの時に、別れ際僕に手紙を残した。
 その局面で僕は医師で、彼女は精神病棟に入院する若い女性だった。

 ネオユニバース22の青い夜で会いましょう!愛を込めて

 そこにはそう書かれていた。
 その手紙を読んだ瞬間、雷に打たれるようにウロボロス21からこのゲームの秘密がダウンロードされてきたのだ。
 突如銀河に浮かぶ蛇が現れて、その蛇体から光の柱が僕の頭に落ちてきた。
 一瞬、「蛇」の世界は消え去り、僕はハイパースペースよりも高い世界に浮かんでいた。
 僕は彼女を救えなかった苦痛と、蛇からの光の柱がもたらした至福に涙した。
 彼女は僕にその手紙を残して自らログアウトした。つまりゲームの中で自殺したのだった。
 それは間違った選択だった。すべての選択は自他への愛に基づいていなければならない。でもその彼女の間違いがなければ、僕はゲームの秘密を学ぶことはできなかっただろう。「蛇」はいつでもパラドックスを好む。
 彼女の行動によって、僕は忘却から完全に目覚めた。
 「蛇」の役割と 僕らがなんどもそこに戻っていく意味を。

 次のログインで何をすればいいか僕はわかっている。彼女を愛すること。それが僕にとって、ウロボロス21の全SEEDたちにとって必要な鍵となるだろう。時空のフォーカスは1990年の日本 そこで僕はもういちど新生児としてログインする。

 すべてのSEEDたちに告ぐ

 用意はいいか? 

 さあ、いとしい蛇の腹の中へ

 しばらくすべてを忘れるけど

 いずれ思い出すだろう



 



 *このお話しはフィクションです。実在の宇宙とは多分関係ありません。 by haitaka


 


プロフィール

はいたか鳥

  • Author:はいたか鳥
  •  Only in silence the word,
     only in dark the light,
     only in dying life :
     bright the hawk's flight on the empty sky


     ことばは沈黙に
    光は闇に
    生は死の中にこそあるものなれ
    飛翔せるタカの
    虚空にこそ輝けるごとくに

    ゲド戦記 エアの創造より


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