Across the universe

            
 Across the universe



寝転んで
 見知らぬ窓辺を見上げた時
 雲は流れ続けていた

 ここは昔僕の部屋だった
 でももう僕が愛した本も音楽も
 ここにはなく
 いくらかほこりっぽい物置になっている
 机の上には地球儀だけが
 ぽつんと残って日を浴びている

 見知らぬ窓辺に雲は流れる

 あれから僕は一人で
 知らない国を周ったのだ
 孤独なブルーベリーガムの味のように
 鼓膜の奥に鳴り響く
 Across the universeを聴きながら

 それは青い宇宙のキッチンに転がる
 ガラス玉のリズム
 そのリズムが促すまま
 僕は歩き続けた
 キッチンには誰もない
 皿の上の渦状銀河は冷めてゆく

 Jai Guru Deva om・・・・

 優しくなんかはなりたくなかったが
 あの時見た雲の流れは速すぎて
 乗り込むことは出来なかった
 僕はターミナルのベンチに座り
 チケットを買うことも忘れていた
 この異国の雲の流れに我を失い

 そういうふうに
 僕が過ごしてきた部屋は異郷となり
 生きることは帰らないことだと知った
 そして
 青空の中へ漂い出て行った

 孤独なブルーベリーガムの味のように
 鼓膜の宇宙に鳴り響く
 Across the universeを聴きながら

 ひとりきりの旅は淋しいもんだけど
 僕を導くこのリズムに乗って
 こころの命じるままに
 どこかへ流れていこう

 異郷となったあの部屋で 
 地球儀がゆっくりと周り始める

 Jai Guru Deva om(おお、神に勝利あれ)



                                      1998


   




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詩集1(Birth) | コメント(0) | トラックバック(0) | 2011/02/01 22:44
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