マン・オン・ワイヤーとムツゴロウさん。

 2008年度のアカデミー賞ドキュメンタリー部門受賞作「マン・オン・ワイヤー」を見た。

 これは、フランス人の綱渡り師フィリップ・プティが1974年に成し遂げた尋常ではないパフォーマンスを描いたものだ。そのパフォーマンスとは、、、、

 これ




 ワールドトレードセンターのツインタワー間を、命綱なしで綱渡りしてのけたのだった。

 なんだかこれを見ると本当に、WTCは彼のパフォーマンスのために立っていたのではないかとさえ思えてくる。
 何重もの意味でこれは不可能に近い綱渡りだ。
 まず綱渡りのプラン自体をWTCが許すわけがないので、それは当然無許可で忍び込んでの決行、つまり『犯罪』となる。実際、この映画の中で彼のプランを手伝った人々は「共犯者」として紹介されている。

 誰にも気づかれることなく多数の機材をWTCの屋上に持ち込み、ワイヤーを張りわたらせる。それだけでも普通の人間なら十二分に神経を消耗させへとへとにさせる行為である。その作業のあとで、彼はほとんど不可能と思えるようなパフォーマンスを成功させたのだ。なんというか精神的・肉体的に二重、三重の綱渡りだ。

 僕が、もっとも感銘を受けるのは、それがある意味ではまったく100%クレイジーで、普通の価値の外にある行動だからだ。それは確かに成功すれば、有名になって、お金も入り、なにかといいこともあったかもしれない。実際に34年後に映画ができたのだから。しかし、これはただのWTCに侵入した変人として逮捕された可能性や、WTCから墜落死した馬鹿として終わっていた可能性が高い行動だ。(まあ成功しても逮捕は一応されたみたいだが)

 それに彼の動機は多分、単に名声を求めるとかそれ以上の、彼自身にもわからない理不尽な衝動に基づいていたような気がする。その衝動と、成功への確信を導いたもの、その部分に彼のダイモーンが関わっているに違いない。

 WHy?(どうしてこんなことしたの)と記者に尋ねられ、彼は

 There is no why!(理由なんてないよ!)と答えている。


 夢を描くにしても、規格化された夢ではなく、まったく誰も思いつかないような奇想天外な夢を思いつき、それを実現させる力。そういった力が存在することを彼はこのようなトリッキーかつ大胆な方法で教えてくれてる気がする。
 そして、それが新しければ新しいほど、人は不安を克服しリスクをおかしながらそれを実現せねばならない。

 その葛藤とプレッシャーの中で研ぎ澄まされた精神は、かなりの域にまで高まったというか深まったに違いない。
 
 「エッジを歩くから人生は意味があるんだ」とフィリップ・プティは語る。

 多分日本にはこういう人は非常に出にくい。
 ここまで個に徹し、ありえないビジョンを実現させるというのは人の目とか世間体に拘泥されやすいDNAを持った日本人には難しい気がする。日本人にも勇敢で、才能ある人はたくさんいると思うがその才能や勇敢さはある価値観の枠内で発揮されるのだ。だからこういうインパクトとか波風が生まれにくい。
 だからこそ、すごいな~とやはり感動してしまうものがある。

 あ、そう言えば、まったく関係ないジャンルだがムツゴロウさん、はちょっとそういうとこあるかも。トラに抱きついたり、っていうムツゴロウスタイルは、誰もやろうとしなかったはずだし(笑
 この人のギラギラした感じが僕は好きなんだけど、ものすごく自分のビジョンがはっきりしててかつ生命力にみなぎっているということでは日本人離れしてるなあ。







 蛇に首絞められるのを楽しめる人ってあまりいないよね。
 一見温和に見えるが、相当ギラギラきてます。いつみても元気になります
 エッジ歩いてまっせ~~


 僕も、自分なりのエッジを歩いていきたいなーと思う。
 すごいことをやるんじゃなくて、身近なレベルで自分のエッジを超えていくって感覚が大事かも。
 



 
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知覚、リアリティetc | コメント(2) | トラックバック(0) | 2012/04/12 17:21
コメント
初めまして
突然の書き込みをお許しください。

I先生のことを知りそれでこちらのブログを知りました。

自分のエッジを超える体験って色々な意味にとれて深いですね。
 テレサさん、こんにちは^^コメントありがとうございます。

 I先生の瞑想会などに参加されてるのでしょうか?
 I先生からはいろいろたくさんのことを教えていただきました。
 今も教えてもらってる気がします。

 人によってエッジは違うと思うのですが、自分にとってちょっとヤバイと感じるラインを踏み越える感覚みたいなものに惹かれます。その線引きは結局自分の意識にあるものなので。

 お許しはいりませんのでどんどん書き込んでくださいね♪

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