卵の中の黄身

我もなく うつし世もなくなにもかも  神の中なる 神のあらわれ  BYダンテス・ダイジ

時の遡行に関するイメージ

 永遠の囚われの存在である僕は
 神様の神経組織が青く光るこんな夜に
 東京ドーム程の大きな亀に乗って
 時をどこまでも遡る

 過去へ過去へと向かう方角は
 僕自身の内へ内へと向いている
 そして現われるらせん形の血管は
 僕のものか宇宙のものか
 もうわかりはしない
 僕が誰かもわかりはしない
 時々亀の息が恐ろしく生臭い

 東京タワーが水没し
 ホワイトハウスが風化した
 いくつもの巨大なスフィンクスが
 渓谷からの朝日を浴びて金色のたてがみを
 光らせる
 オーロラの鍵盤を奏でるのは
 シリウスからの極の風

 僕は100万の僕をひろいあげつつ
 100万の僕としての記憶を取り戻し
 かつてすでに過ぎ去ったものであると同時に  
 いまだに永遠に生きている
 100万の僕であったことを知る
 それぞれの時代でそれぞれの僕が
 正気に返る

 100万のあなたよ
 私の声は聞こえますか?
 あなたも永遠に生きています
 あなたも知らないあなたと共に

 それぞれの個別の生きる理由と共に

 そして最後には
 宇宙の貴族達に
 「悲しみを産み出すダンス」
 と呼ばれている

 時空鏡の恐ろしい回転が
 幾つもの銀河を映し出して
 現われる
 
 その鏡は回転によりて
 変化を生み出し
 変化によりて悲しみを産む
 新たな悲しみは鏡を回し続ける

 その鏡は戯れによりて生み出され
 悲しみによりて回り続ける
 回転に魅せられたいくつもの魂たちが
 その美しさに殉じて
 幾億も、鏡の中に身を投じた

 その鏡の迷路では
 人は幸せを求め続け
 手のひらから水はこぼれ落ち続けた
 しかしそれは本当は 
 鏡に映った像にすぎないのだが

 鏡の回転に巻き込まれた光の粒たちが
 幻惑された夢に過ぎなかったのだが・・・

 


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  • Author:はいたか鳥
  •  鳥が卵から無理に出ようとする
     卵は世界だ 
     生まれようとするものはひとつの世界を破壊せねばならない
     鳥は神に向かって飛んでいく
     その神は名をアプラクサスという


    なかのひと

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