台風の目



 現象世界はみな回転し、変化し、構造体を形成し、二極対立することにより、生成化育・進化発展し、創造され破壊される。
 すべてはらせん状に上昇しつつ、永劫に回帰する。

 すべての構造体は、また回転体であり、振動体である。

 原子・分子・細胞・微生物・鉱物・植物・動物・人類・惑星・恒星・銀河はすべて回転体だ。

 現象世界のものはすべてある一定のサイクルに応じて、発生し、消滅し、繰り返される。繰り返される回転運動はすべてらせん状であるため、そのたびに新しい側面を持つ。

 人の心身という構造体においては、すべての体験、その個人にとってのよろこびと悲しみ、愛と恐れのパターンは周期的に繰り返され、かつらせん状に進化・変容する。

 それらすべての回転体、構造体は台風のようなものである。

 その回転は不動の軸により支えられている。動かない中心だけが、この回転を支え、発生させることができる。

 動に対しての静が無ければすべてはありえない。

 すべての変化の支点はそれ自体は変化しない。

 そしてすべての回転体・構造体はこの不動の支点を中心に、かりに現象化されている。

 回転体の内部にいるときはその中心にのみ静寂があるように思えるが、回転体の外部においては静寂しか存在しない。

 そこは父なるものの住処だ。

 この不動の中心と一体化し、無為を生き、衣もまとわず生きるもの、座すものは賢者・聖者と呼ばれた。  

 一方、回転体の渦に自ら飛び込み、父と我を忘れ、あらゆる衣をまとい、歌を歌い、愛を交わし、創造と破壊、生成化育の遊戯に関わるものは愚者と呼ばれた。

 またこの回転体の中で自ら変化と遊戯、進化を生きつつ、あらゆる衣を身にまとい、歌を歌い、子を産みながらも不動の中心と共にいる「踊るものたち」はバクタ、あるいはタントリストと呼ばれた。 

 彼らは愚者たちと同じように自らがただ回っていることは知っていたが、どこを中心に回っているかも知っていた。

 彼らは自らの踊り相手が誰であるかを知っていた。  

 動かぬものがあるからこそ、われらが回り、変化し、踊っていることを知っていた。

 それがゆえに、彼らの回転する生は、祝福と喜びに満ちたものとなった。


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知覚、リアリティetc | コメント(2) | トラックバック(0) | 2014/05/28 23:15
コメント
スポークが30本のホイールもハブ軸があってこそ機能する――老子
回転式扉も蝶番の部分があってこそ機能する――荘子
Re: タイトルなし
> スポークが30本のホイールもハブ軸があってこそ機能する――老子
> 回転式扉も蝶番の部分があってこそ機能する――荘子


老荘もそんなことを言ってるんですか。

動くものを不動のものが支えているというのは、いろんな現象を見てればわかるし、頭でも理解可能な部分だと最近思いました。

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