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天空の鳥女(とりめ)



                          天空の鳥女



天空の泉には時折
どこからか大きな魚がやってくる
古代の趣を残した魚が
青碧の水面を揺らして静かに通り過ぎる
泉を囲う岩陰の向こう側には
空が開け
遥かな下界を見下ろす大絶壁となっている
霞の下は巨大な原生林が広がっているようだ
泉の清さと魚達に目を奪われながら
僕は岩場を歩いた

絶壁の突端に立って
鳥と触れ合う女がいる
無数の鳥達が回りに集まり、さんざめく

彼女はただ無心に鳥達と戯れ
鳥達もまた無心に彼女を信頼しているようだ

若い二羽のつがいは彼女の両手の中で
躍るように 諍うように
愛を交わし 
彼女は目を細めてそれを見つめる

岩場で死んだように横たわる白い水鳥は
心をゆだねきって眠っていたのだ
折れた翼を休めるために

泉で十分に眠り とき満ちた
鳥達を
女は下界へと解き放つ
彼女の手から離れた鳥達は
重力に引かれるまま落ちていくが
やがて力強く翼を広げ
気流に乗って舞い上がる
潮風の匂いが彼らを呼ぶ

僕は鳥女に恋に落ちた
鳥のことをひとたび忘れさせ 
この岩場で
共に座り
魚達のうろこのきらめきを見たいと願った
そんな思いが通じたように鳥女は
振り返ると僕のほうに歩み寄ってきた
そのくちびるには微笑があったが
彼女の瞳は見えなかった

そうして戸惑う僕を軽々と抱き上げると
限りなく優しく
絶壁から投げ落としたのだ

落ちてゆきながら
僕は知った
あの天の水辺には人は彼女しかいないのだ
あそこであの鳥女は鳥だけを愛し生きているのだ
僕は彼女のふところで休んでいた
愛された一羽の鳥に過ぎなかったのだと

驚きと悲しみにふけるまもなく
その愛は
高みからおちてゆく僕の翼を力強く広げさせ
大森林の彼方 
潮風と曙光に向かって飛翔させた



2014 8 23
 words by haitaka
 


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詩集2(火水の子供たち) | コメント(2) | トラックバック(0) | 2014/08/24 21:32
コメント
はいたかさん こんにちは.
 猛暑も一段落して,ちょっぴり秋らしくなってきましたね.

とりめ いいですねー.読んでいて,ジブリの世界のようなビジュアルが浮かんできました.
ああいう画にピッタリの詩.絶壁から落とすところ.落ちていくところ.
はいたかさん絵も描くのでしたら,とりめ の絵みてみたいです.
今度の詩は情景も浮かび上がらせて,すごいなと思いました.
上手くいえないですけど…
また楽しみにしています.
 
 ローパーさん

 いつもテンションのあがるコメントありがとうございます^^

 一週間ほど前、夢でみたものを書いて見ました。

 ジブリ!そういえば書いてる途中、鳥が寄ってくる女って「未来少年コナン」のラナみたいだなーとちょっと思ったりしてましたよ。夢の女性はもう少し大人で、ワイルドな感じだったような気がしますけど・・・。

 鳥は魂のシンボルかもしれないと思いました。 

 いろいろイメージしてもらえるのがとてもうれしいです♪
 感謝ですe-68 


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