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WHITE ATLAS

                        

                           
                     WHITE ATLAS


 「メキシコ人が太平洋についてなんて言ったか知ってるかい?あの海には記憶がないってさ。僕はその記憶のない海のそばで人生を終えたいんだよ
                                   S・キング 「刑務所のリタ・ヘイワース」より



 すべての時空に名前はない
 いつも
 君だけの真っ白な地図を持て
 必要ならばどこでも好きなところに線を引けばいい
 君の引いたその線は
 大国と大国を隔て
 武装した兵士と艦隊により守られる
 国境線と全く同じだけの
 意味と無意味さを持つのだから

 世界中のすべての山に
 君の好きな名前をつければいい
 すべての生命に
 君がふさわしいと思う名を与えればいい
 
 かつてあの空に輝くものは
 ラーと呼ばれた
 そして今太陽と呼ばれる
 これからも無数の名で呼ばれるそれを

 君はなんと呼びたいだろうか?

 名もなき時空を生きる
 名もなき命よ
 君たちはすべて
 永遠の名もなき命より生まれて

 20世紀と名づけられた永遠の中で
 偽りの輝く地球儀の据えられた
 四角い机で学び
 それのぞれの愛を生きる道を選んだ

 そこには無数の国があった
 無数の主義主張と 
 哲学と宗教
 暦があった

 無数の国があり
 あらゆる場所に線が引かれていることに慣れた君は
 永遠と無限を忘れた

 だけどもすべては滅びていく

 すべての文明が過ぎ去った廃墟で
 君は今 たったひとりガレキに腰掛けて
 流れる銀河を見ている
 無数の国も暦も失われた世界で
 君は白き地図に涙を落とし
 失われた国々のために泣くだろうか?

 そしてすべては生まれてくる

 すべての文明が始まる前の海辺で
 貝を拾いながら
 昇る朝日を見つめているとき
 神が君に小さな嘘をついた
 
 「見よ この海と太陽を
 今日からすべてが始まる
 本日を紀元元年とせよ

 世界を巡り 地に満ちよ
 
 あらゆる河に 山脈に

 お前の名を刻め

 時を刻め 

 日を 月を

 朽ちぬ岩に刻むのだ

 お前に白紙の地図を与えよう
 
 さあ これを手に

 無限の時空を創造せよ」
 
 君は震える手で
 白き地図を受け取り
 情熱の赴くまま
 小船ににはった帆を広げ・・・
 そして
 再び
 記憶なき海に
 漕ぎ出すだろうか?


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詩集2(火水の子供たち) | コメント(0) | トラックバック(0) | 2014/10/20 21:43
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