スナフキンの手紙<好きな長ゼリ>


 カテゴリー好きな歌変形企画、好きな長ゼリ編(笑)

 え~割と、昔から一人で朗読したり、芝居の長台詞を暗唱して、ストレス解消(?)するのが好きなのですが、その中でもよく使う好きな長ゼリというのがいくつかあります。

 下の長ゼリは何度言ってもカタルシスを感じられるのでよく使います。

 もし、同じような趣味のある方は、試してみてください。

 もちろん、お芝居の内容を知っていたほうが感情移入できるとは思いますが、 このセリフはすごく完成度が高いと個人的に思っており、前後の内容なんか知らないほうがいいくらいかもしれません。

 が、簡単に書きますと、これは鴻上尚司作「スナフキンの手紙」のラスト近くの長セリフです。

 お芝居の舞台はパラレルワールドの日本。

 そこではいくつもの思想的集団がテロリズムによって日本政府や思想を異にする集団と戦っています。

 一見普通の社会人が、みな他人には理解できないような思想的グループにひそかに加入して、パソコン通信によりつながり、同盟を組んでいるのです。いわば、万人の万人に対する戦いが水面下で現実化してしまっているような状態です。

 そしてパソコン通信ではアブナイビジネスが横行していたりして、かなりWEBが完全に日常の一部となった21世紀を先取りしてる部分があり驚きます。(90年代の戯曲)

 そんな見えない戦争が激しく行われているパラレルな日本社会では、みな「語られなかった言葉」をかかえています。そこは自由に本音をぶつけられない世界、それゆえにテロリズムとその抑圧が日常になった世界なのです。 

 「語られなかった言葉」を語るというのが、このお芝居のキーワードです。

 そんな世界の中で、あるひとつの文章が噂になります。

 それはパソコン通信の中で「スナフキンの手紙」と呼ばれる文書です。

 それを読むとみな、なくしてしまったものを思い出すようで、胸がせつなくなるのです。

 なぜかというと「スナフキンの手紙」はバックパッカーたちの「語られなかった言葉」の集合体による文書だからです。

 この長セリフは、その謎の文書「スナフキンの手紙」の謎が解けるシーンのものです。

 「スナフキンの手紙」をパソコン通信で流した日本軍兵士の独白です。

 という簡単な、状況設定をふまえて、以下のセリフを朗読が好きな方は読んでみてください。


 『長い旅を続けるうちに疲れ果て ひとつの場所にい続けることを沈没という

 私は、シルクロードの果て、小さな町で沈没しかかっていた。

 すべてがどうでもいいように思えた。

私を縛るものは何もない。ガイドブックを開き、自分で自分に課す旅の目的も、嘘くさく思えた。

食事をとる以外は、一日中すえたベットに体を横たえていた。体になんの力も湧かなかった。

 このまま、死んでしまうのも、幸福に思えた。そうして、二週間ほどが過ぎた。

 ある日私は視線に気づいて目を開けた。一人の男が私を見下ろしていた。

 男は微笑んで、こう言った。「このノートを差し上げましょう」



 ぼろぼろになったノートには、日本では決して語られなかった言葉がつづられていた。

 無数の旅人が、無数の筆跡で、日本では決して語られなかった本当の言葉をつづっていた。

 怒ったように跳ねている文字があった。

 涙ににじんだ文字もあった。
 
 本当は何故旅に出ようと思ったのか、本当はなぜ沈没してもいいと思ったのか、本当は…・・・。

 私は読んでいるうちに、涙が止まらなくなった。

 他の国の旅行者が不審がるのも気にせず、私は一晩中、声を上げて泣いた。
 
 そして、次の朝、シルクロードの果てへと旅立った。そのノートをくれたのがあいつだった。

沈没することを恥ではない。パッケージ・ツアーの旅人には、沈没することはあり得ない。

沈没は、自分の足で歩こうとした旅人にだけ起こる。

……あいつがくれたノートを、私は旅の間中、書き写した。
日本で語りたくても語られなかった言葉を必死で書き写した。
どの言葉も内戦や流血を語ってはいなかった。ただ本当のつぶやきが続いているだけだった。
そして私は日本に帰り、その言葉をパソコン通信で流した。

そのノートは、今もシルクロードを旅している
。』


 この戯曲の世界よりも、今の日本は「本当の呟き」を語りやすい場所だろうか・・・とよく考えます。 



 こちらのサイトでいろんな方のこの長セリフの朗読が聴けて、大変興味深かったです。(声の投稿システム)

 そのうち投稿してみようかな。

 好きな小説や漫画のセリフを大きな声で朗読するのは、テンション低いときオススメです^^


 sunahukin.jpg


 (やたら戦線がはりめぐらされた'90年代の日本。完全自殺志願者に死体を売り歩くセールスマンがいる。そして人気アイドル「キャンディちゃん」をめぐる政府軍との攻防。パソコン通信上で密やかに流される「スナフキンの手紙」。そこには、いったい何が語られているというのか?) 「スナフキンの手紙」amazon 説明文より 

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好きな歌 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2014/11/09 23:15
コメント
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Re: なつかしい偶然


 >あまの様

 コメントありがとうございます!

 こちらも驚きました。あまのさんの声投稿はお上手なのと、懐かしいのもあり何回も聴きましたよ。


 『スナフキンの手紙』は自分も学生時代に入ってた演劇サークルで上演されたとても思い出深い作品なんです。

 そして特にラスト近くのあのセリフに心打たれて、暗唱できるまでに何度も口ずさみました。
 
 バックパカーが安宿に沈んでしまう「沈没」なんてかっこいい?言葉はあのお芝居で覚えましたよ。

 役者としての表現力があまのさん程あるとは思えないのですが、僕もまたあのセリフをYoutubeかなんかにあげてみようと思います。拙いですが、自分の愛する言葉を語るというのはとても気持ちがいいものですよね。 

 上司の方からスナフキンの名言集をもらわれたということで、スナフキンシンクロなんですね。

 何か意味があるのかもしれないですね~

 あまのさんの他の投稿を是非聴いてみたいです。

 びっくりでした^^;

 今後ともなにとぞよろしくお願いいたします♪♪




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