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殻の話

 以前に誕生日プレゼントにもらった『ブラザーサン、シスタームーン』をまた見た。
 この映画はアッシジのフランチェスコをモデルにしたもので、ペルージャーの戦いに参戦し、瀕死の重傷を負ったフランチェスコがその経験が元で神への愛に目覚めるという物語だ。
 言わば死と再生の体験を経て生まれ変わったフランチェスコは、日々の労苦に囚われて生きる生活の虚しさに気づき、神に身を委ね、貧しさと奉仕の中で、鳥のように自由に生きたいと願うようになる。
 それはキリストの教えを忠実にその身をもって生きようとすることでもあった。
 しかし、世俗化されたキリスト教社会においては、フランチェスコの行動は「気の狂ったもの」、「異端者」であるとみなされ既存の教会との間に軋轢さえ生じてしまう。

 フランチェスコは自分の行いが間違っているのではないかという疑惑に駆られ、キリスト教会のトップである法皇に会うためローマへと向かう。
 向かい合う、フランチェスコと法皇
 ローマ法皇は神に地上の教会を統治するよう命じられている(とされる)キリスト教会の最高権威である。彼は重々しく着飾り、大勢の臣下に囲まれている。
 一方、フランチェスコたちは薄汚い服を着て、靴さえ履いていない。
 しかし、法皇はフランチェスコの中で語っているのが「キリスト」であることを認める。(正確には、ひとりでに天に差し伸べられた彼の手が・・) 

 世俗的には、キリスト教会の長であり、神の代弁人であるはずの法皇はその服装が象徴しているように幾重にもわたる「殻」によって包まれている。
 一方、フランチェスコはその貧しい姿が示す通り、「殻」をかぶっていない。

 もちろん、この話しは寓話的につくられているので、現実においては、実際に貧しいみなりをしているからといって心が解放されているとは限らないし、いい服を着てるからと言って、心が束縛されているとも限らない。
 しかし、ここには重要な何かがある。
 創世記の神話では楽園喪失以前のアダムとイブは素っ裸で楽しく暮らしていた。
 知恵の木の実を食べたことによって、「自分の裸を恥ずかしい」と感じるようになりイチジクの葉をまとった。これは「自意識の目覚め」だ。それはどんどん発展して、無数のものに恥ずかしさを感じてしまう「今」に至る。
 
 しかし突然、服を脱いで裸になる人たちもいる。
  
 それは、聖者もしくは気の狂った人。
 そういう人たちは、知恵の木の実を食べる前の状態に戻ってしまったのかもしれない。あるいは、空の上にあるエデンから突然降ってきた「生命の木の実」を食べたのか・・・。
 どちらにしろ、そういう人たちも「殻」がやぶれた人たちだ。その姿は彼らの精神状態を象徴的に表現している。
 「貧しきものは幸いである」という言葉、それはおそらく心に殻をかぶっていないことへの祝福なのである。
 フランチェスコは富や権力に執着し、それを追い求めて生きることが心に厚い「殻」を作ることであると知っていた。

 「殻」は何も人の心だけを覆うものではない。
 土を覆いつくすアスファルトや、冷暖房が完備されたマンションの一室、高速道路に連なる走る鋼鉄の「殻」。現代の文明自体が「殻」に覆われている。この現代西洋型文明そのものが、地球を覆いつくす一種の殻の様相を呈していることは疑えない。
 その中に生きると言うことは、この殻の中の生活がすべてだと思うこと、そして、この殻が決して壊れないように「殻」に奉仕するということでもある。
 しかし殻を堅固にすればするほど内圧はどんどん高まっていき、やがてそれは崩壊せざるを得ないだろう。
 その時、その殻の中に息づいていた無数の生命も破壊されてしまうだろう。

 「殻」は本来人間を厳しい外界から守る為のものだった。
 しかし、一番危険なのは「守りすぎること」なのかもしれない。



Brother Sun and Sister Moon,
I seldom see you, seldom hear your tune
Preoccupied with selfish misery.
Brother Wind and Sister Air,
Open my eyes to visions pure and fair.
That I may see the glory around me.
I am God’s creature, of him I am a part
I feel his love awaking in my heart
Brother Sun and Sister Moon
I now do see you, I can hear your tune
So much in love with all that I survey


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未分類 | コメント(0) | トラックバック(0) | 2007/03/05 18:17
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