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黒き森の騎士 -Maria M atrix version θ13z- 【Poetry】



黒き森の騎士 -Maria M atrix version θ13z-


まどろみから覚めたとき
 僕の寝顔を見つめるように
 微笑んでいる女がいる
 彼女の髪が金の風で揺れている
 君は誰だ?
 ここは どこだ?
 君はいつからそこで
 僕が目覚めるのを待っていたのか

 私は黒き森の騎士
 炭焼き小屋の片隅で生まれ
 熊の肉を貪って育った
 長じるにつれ 剣技の達人となり
 多くの魔物を屠り
 眠りの姫を目覚めさせた

 この黒い森の領主となった時には
 片目と片腕を失っていた
 
 幼いころに祖母から聞いた物語
 龍を倒し とらわれの姫を取り戻した
 英雄たちのサーガのように
 どこかにめでたい終わりがあると信じていた

 しかし今も
 黒い森には雹が降り注ぎ
 赤い月は巡る
 奇妙なはやり病や
 魔物たちは地の底から尽きることなく
 生まれ出る

 私はその黒き森の騎士
 領民たちを守りつつ
 領民たちを閉じ込め支配する
 慈悲深き 恐ろしき王

 森での生に疲れ果て
 チェス盤の前でポーンの駒をつまんだまま
 酔いどれて眠りに落ちたと思っていた
 目覚めると あなたが私をみていた
 髪を金の風になびかせて 

 すべては悪い夢だったのか 
  
 黒い森の中で英雄気取りだった私は
 君の眼差しのもと
 ただ君が起こしてくれるのを
 待っていただけだった 
 
 あなたの瞳に映る永遠
 あなたの瞳には母がいて姫がいる
 あなたの微笑みはすべての女性に似ている
 一度も会ったことはないのに知っている
 すべてを知って僕を許す
 あなたのまなざしの下で
 僕の心はほどかれ、金の風に溶けていく
 
 この至福の中で
 また眠ってしまっても
 かまわないだろう
 夢の中でもきっと覚えているだろう
 森の中で何かを求め叫ぶすべての声が
 あなたへの愛の告白となる
 はずだから

 僕にはもはやなんの恐れもないだろう
 ポーンが床に落ちて
 鈍い音をたてようと
 この永遠は決して終わらないから


                                        words haitaka   Nov 2017


black knight









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| コメント(0) | トラックバック(0) | 2017/12/18 18:01
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