卵の中の黄身

我もなく うつし世もなくなにもかも  神の中なる 神のあらわれ  BYダンテス・ダイジ

 昨日、あるテレビ番組で松井守男というコルシカ島に住む画家が紹介されていた。

 12年間、ひきこもるように暮らしていたらしいので興味を持った。ピカソに認められるほどの天才肌だったのだが、向こうの画商に目の仇にされ、作品を発表する場がなく絶望していたようだ。

 発表する当てが無いまま作品を描き続ける時間が、10年ほど続いたあと、もう人生を終わらせるつもりである作品を描きはじめた。

 不遇な境遇に生まれた怒り、自分を不当に扱う人間達への怒りをキャンバスにぶちまけるように描き続けた。
 一日10時間以上キャンバスに向かう生活が、二年近くも続いたという。

 ある時、松井氏は自分が筆で、「人」という書き続けているのに気づいた。
 強烈に渦巻いていた怒りが浄化され、消滅していることにも。 

 そのようにして出来上がったのが「遺言」という作品らしい。

 画家の内面でどのようなプロセスが展開されていたのか、凡人である僕には知る術はないが、想像してみる。

 結局すべての怒りも、悲しみも、また喜びも、「人」によって、もたらされるということが悟られた時に、個々の人間を越えた、人類の集合体としての巨大な「人」が神々しい姿で迫ってきたのではないだろうか。。。

 「人、人、人、人、すべて、人のことであったのだと。」

 というのが僕の想像だ。そう考えて、勝手に癒されていた。

 ちょっとイってる感じがする、おもろいおじさんだった。


 「遺言」拡大↓
 http://www.tcp-ip.or.jp/%7Eradishfm/sonota/yamaue.html



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