卵の中の黄身

我もなく うつし世もなくなにもかも  神の中なる 神のあらわれ  BYダンテス・ダイジ

待つこと

 去年の11月ごろ、その年の夏から働いていた派遣先の会社を辞めた。

 数日働くと、すぐに調子が悪くなって精神的にも危ない状態になってしまうからだが、かなり凹んだ。

 というのも、その年僕は30になっており、もうそろそろちゃんとしたところに就職したいう気持ちも持っていたからだった。
 その会社では今までの経験を結構買ってくれて、一年位したら社員として雇ってもよいというような話しもあった。

 それで、そこを辞めた時は、もう、ダメだ・・・と相当落ち込んだのだった。

 そして、I先生の個人セッションに行って、そういう状況とかを話した。I先生のアドバイスは端的に言うと、「3年間なにもするな」というものだった。
 
 今から3年ほどは、運勢学的にもあまりよいとは言えないし、天職とか自分にあった仕事なんて探そうとして見つかるもんじゃない。それは見つかる時に自然と見つかるから・・・ということだった。

 それを聞いて、僕は30までに社会に適応しなければならないという(と言うか就職しなきゃならないという)観念で自分をかなりきつく拘束していたことに気が付いた。

 状況は同じでも、考え方一つで苦しくも、楽にもなる。
 実際、先行きに不安を感じて死んじゃう人も相当数いるのだ。 

 それも自分で先を見届けることを拒否してしまった結果であることが多いだろう。

 「待つこと」というのは大事なことだと思う。
 何も具体的なアクションを起こさなくても、注意深く時が満ちるのを待つという姿勢は重要だ。 
 
 だが現在、努力とその結果を刈り取るということの価値は認められているが、「待つ」ことの価値は忘れられている。
 ある意味、自然の造化と変化を人は恐れるようになっているのではないだろうか。

 和尚の禅タロットに「忍耐(PATIENCE)」というカードがある。絵柄には妊娠した女性が使われている。お腹に子供がいる女性にとって、確かに重要なのは時が満ちるのを注意深く待つと言うことだろう。

 このカードを見て、毎日を右往左往しながらも、心の深いところにいるのはこの女性なのだと感じた。彼女はただ、信頼と確信を持って来るべき時を待ち続けている。

 肉体は、聖母マリアであり、そこからキリストの意識が生まれると言われている。その神意識の母体となる肉体を維持し、それを育むというだけでも尊いことなのだろう。

 特に多くの人が愛と智恵に達する可能性のあるこの時代において、からだを時満ちる時に向かって運ぶというだけでも、大切な使命だと思う。

 『2001年宇宙の旅』のラストに誕生するスターチャイルドをみんなはらんでいるのだから。


 『私たちはどうやって待てばいいのか忘れてしまった。
  それはほとんど見捨てられたスペースだ。ふさわしい瞬間を待つことができるということは、私たちのもっとも大きな宝だ。
  全存在がふさわしい瞬間を待つ。
  樹ですらそれを知っている。
  花を咲かせるはいつなのか、すべての葉を落とし、空に向かって裸で立つのはいつなのかを。
  木々は裸であっても美しい。
  古いものは去り、新しいものがすぐにやって来て、
  新しい葉が育ち始めるという大いなる信頼を持って、樹は新しい
 葉むらを待っている。
 私たちは待つことを忘れてしまった。私たちはあらゆることを早急に欲しがる。それは人間にとって大きな損失だ・・・
。』
 

070911_1721~01.jpg

≪ 御嶽ホーム道の理 ≫

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