卵の中の黄身

我もなく うつし世もなくなにもかも  神の中なる 神のあらわれ  BYダンテス・ダイジ

ナイト・シャマランの『ハプニング』

  今日、ナイトシャマラン監督の新作「ハプニング」を観てきた。

  面白かったのだが、僕は今頭の中がヨハネの黙示録になっている。それを助長するような映画で困った。

  映画の最初のほうに主人公の学者が、全米でミツバチが大量に失踪していることを学生たちに話す場面がある。少し前に記事を書いたが、これは実際に起こっている現象だ。→これ(消えるミツバチ)

  「病気か?」 NO! 
  「地球温暖化が原因か?」 NO!


  自然には人間に理解できない側面があると彼は学生達に言いたいらしい。

  全米に、人間の頭(科学)では理解不能の「ハプニング」が広がっていく。

「病気か?」  NO!
  「バイオテロか?」  NO! 

  原因はわからない。わからないが、
  それに捉えられると、人は自己破壊の衝動に逆らうことが出来なくなる。
  それは、人の精神を、破壊してしまう。
  このわからない変化と言う恐怖・・・。 

 一応その「ハプニング」の原因についての仮説のようなものは提示されるのだが、それさえも未知の変化に怯えた人間の頭がでっちあげたものなのではないかと思わせるような雰囲気が全編を通し漂っている。

シャマランの映画には珍しく、本気で怖いと思った。
  しかも、普通のホラーの怖さではない。わからない怖さ、にもかかわらずなにかリアリティがある怖さだ。それはすでに,この現実において心のどこかで人が実際に感じている怖さだからかもしれない。

  これ以上はネタばれになるので書かないけど、そのハプニングに対峙する人間の姿が描かれていく。結末は好き嫌いが、あるかもしれないけど、シャマランの描きたいことはなんとなく判るような気がする。

 ナイトシャマランの映画はある種のスピリチュアルな観点がないと、意味がよくわからないかったり、B級映画のように見えてしまう作品が多い。
 「サイン」もそうだし、「レディインザウォーター」「アンブレイカブル」なんかもっとそうだ。
 「シックスセンス」を期待して、他のを観るとがっかりすると言う人がいるが・・・・それは確かにそう。
 「シックス・センス」はある意味、一番テーマが浅い。それ以後の発展がシャマランの真骨頂のように見える。にも関わらず、一様にレビューの点数が低いw

 僕は今回の「ハプニング」の暗雲立ち込めるようなラストに、シャマランの警告のような、危機感のようなものを感じてしまった。一見ホラーチックな映画の常套的なラストに見えて、そうではないような、そんな感じがする。

 そのメッセージ性は、「自然が人間精神に与える未知の影響」だ。
 主題がいつも精神世界的な傾向が強いために、シャマランは、世の大峠を感じているのではないかと思ってしまう。必ずしも2012年の神話や、フォトンベルト、アセンションなどを念頭において作ってるのかはわからないが、それに近い世界を感じる。クリエイターの直観が、実際に起こっている現実を描かせているような気がする。

  その理由は冒頭に出てくる「ミツバチの失踪」と、「ハプニング」は同じソースによって起きているかもしれないと、観客に感じさせるためだ。クリエイターの役割りのひとつは、集合的な「心の闇」を表出させることによって、それを癒すことだと思う。


  この映画のストーリーの裏には、未知の変化に対する恐怖と、それに対処する方法も暗に示されているように思えてならない。まあ、見方のひとつですが。なにしろ頭の中が黙示録なのでw



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