BIRTH

 
                       BIRTH 

 エピローグにはまだ早いよ
 果てしない虚空の片隅に
 深いコバルトのAtomic-Eggが浮かぶ
 
 秋の落ち葉に降る雨みたいに
 誰かが囁いている・・・

 結局すべてはなんだったんだろうね?

 待ち合わせたあの場所にあいつは来たかい?

 静寂すら答えない
 ひそやかな声たちは
 自らが遠い過去からの木霊に過ぎないことを思い出し
 虚空に溶け去ってしまう

 長い 長い 永劫の沈黙
 
 そして 今
 原子卵に赤々とした亀裂が走り 

 生まれ出るのは
 真夏の夜の夢の続き?

 果たされなかったいくつもの約束を
 贖う女神たちだろうか?

 いや、それは時間を貫く
 鳶色の眼球と
 まばゆいゴールドの表皮を備えた
 ティラノザウルス・レックス

 銀河のはずれの遠い惑星の記憶を
 DNAに刻み

 あらゆる巨大な栄光や戦争と同じく
 あらゆるちっぽけなものの悦びと痛みの歌を
 そのとがった耳の奥に秘めて

 今永劫に向かって
 低いうなり声を上げ始める

1997
 

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詩集1(Birth) | コメント(0) | トラックバック(0) | 2011/09/23 17:00
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