~彼方~  beyond the beyond

          ~彼方~



 灼熱の大地
 猛毒の大気
 命なき不毛の惑星で 
 金色の光たちは笑う

 土星の沈黙が
 僕の背後を脅かす

 『恐怖は美のはじまり』

 さあ、シバの踊りを前にして
 共にこの杯を干そう
 舞いの刃が僕の首をはねても
 決して喜悦を忘れるな

 そう、これも余興のひとつ
 その証拠に音楽は終わらない

 太陽からの歌声を
 カーステレオで聴きながら
 世界の果てへ旅をしよう
 世界の果ては 時の果て

 過ぎ去った文明の遺跡に座り
 カルピスウォーターを飲みながら
 Milky wayを泳ごう
 冷たく燃える無数の星々
 みんな水生生物の卵みたいな
 
 冷たく燃えてなんかはない
 あれは純粋な形の
 命なんだ
 

 限りなき存在の明滅を
 繰り返し
 時のまにまに
 漂う

 遠くに祭典のパレードが聴こえる
 白亜の駅で汽車を待つ
 汽車を待ちながら
 僕は両手で顔を覆い
 時の始まりを思い出す

 記憶の
 意識の
 舞踏の

 はじまり

 不毛の惑星
 猛毒の大気と
 硫酸の雨の中
 金色の光たちは笑う

 みんなわかっているのか?

 あれは愛なんだ

 命は宇宙に満ち渡り
 あらゆる場所が
 時の果て



2000年



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詩集1(Birth) | コメント(2) | トラックバック(0) | 2011/09/23 15:00
コメント
感想
いつもながら、いいですねえ~~。ずいぶん前につくられたのに、この〈今〉の気分をぴったり先取りし、なおかつ荒廃が、荒涼があるとしても、《joy riding the univers》のグルーヴがあって救いです。
現代の詩人たち(まったく興味ない遺物)と喩のこしらえる意図がちがっていて。美咲歌芽句さんのように宇宙と神を"プラクティカル"に祈ってきた詩のように。
Re: 感想
 >VARIS様

 いつもご感想のコメントありがとうございます(≧ω≦ )うーん、これは自分でも何を描きたいのかわからず言葉とイメージの雰囲気で書いたら、結果的にこういう感じになったような気がします。おっしゃるように今の気分と何かシンクロするところがあったので載せて見ました。美咲歌芽句さんという方をちらっと調べてみたのですが、とても興味深そうな方ですね。


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