セミが鳴いている
 あの鳴き声は何を語っているのだろう
 鳴いているセミは苦しいのだろうか
 鳴いているセミは
 楽しいのだろうか
 それとも何も感じずに
 鳴いているとも思わずに
 鳴いているのだろうか
 それならば
 そのようにセミを鳴かせる力は
 どこから来るのだろう

 一生懸命に
 自然から与えられた声帯を
 震わせながら
 セミが鳴いている

 夏の太陽の下で
 100年前と同じように
 そしておそらくは
 100年後も同じように
 セミが鳴いている

 全く同じ太陽の下で
 全く違ったセミたちが
 同じように叫び続ける

 それを聴く人の内側で
 それに応えて
 激しく泣く何かがいる

 激しい雷雨が街を洗う時
 セミは幹に止まって
 死んだようにじっとしている




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| コメント(0) | トラックバック(0) | 2006/08/12 20:30
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